公然わいせつ@覚えてないので無罪です。
公然わいせつ罪事件。
被告人は、事件当日、道路などで通りすがりの女性の前でズボンを下ろして、その陰茎を露出させたというもの。
被告人は事件前夜から夜通しクラブを飲み歩いた後、路上で犯行に及んだところ通報され、臨場した警察官によりつかまった。被告人には前科前歴はないが、酒の席などで裸になる嗜癖があり、行きつけのクラブのママにも注意されることがあった。事件当日の最後の店に向かうエレベーターに乗ったところから犯行後捕まる前までの記憶がなく、犯行の自覚がないと心神耗弱を理由に無罪を主張している。
犯行後、財布の中にお金が小銭までなくなっていることや携帯電話もなくなっていたことから、店で睡眠薬のようなものを飲まされて知らないうちにとられたのではないかといい、その薬のために記憶がなく犯行にも本人の意図はないものと訴えている。
被告人には、前科前歴は一切ない。求刑は罰金25万円。
被告人の最終陳塾では、覚えていないので無罪ですという主張のみが申し立てられ、被害者に対する思いやりはみじんもなかった。たとえ、刑事責任が問えなかったとしても、被害者がいることは考えない。性犯罪はそういうものであるということを改めて思い知らされる案件だった。裁判では責任能力のみが争点になっており、検察官も裁判官にも被害者が受けた心理的なショックやその後の生活への影響などについては取り上げられていないようだった。
路上にて、被告人が陰茎を露出したことには争いがないので、仮に現在の法律上で刑事責任が問えなかったとしても、被告人には同じことを繰り返さないことについて確固たる対処を望むべきだと思う。