強制わいせつ、窃盗事件。裁判員裁判。
被害者には被告人側から被害弁償金として500万円が支払われているが、被害者は赦してはいない。このためか、被告人にも性被害弁護でメディアにもよくでている弁護人がついている。裁判を途中からの傍聴だったので被告人の犯歴前科などの情報は不明。
深夜、路上で腰かけて電話をしていた当時19歳の女子学生に「ホテルに行かないか」と声をかけたところ、最初は返事がなかったのでもう一度、おしりを触りながら問いかけたところ、「やめてください」と拒否されたため、『スイッチ』が入って、女性を近くの路地まで足首をもって引きずって、衣服の中に手を入れて胸や陰部をさわる犯行に及び、被害者がお金ならあるからとおびえて8千円を出したところ、そのお現金を持って逃走したとのこと。
『スイッチ』に関して、被告人の話から類推すると、「支配欲」があり、カッとなるとそれを満足するために記憶が飛んで行動することがあり、当時はそのスイッチが入ったということのよう。そのスイッチは、仕事のストレスが極限になると入りやすくなるとも。被告人は仕事でストレスを抱えていたというが、そのストレスの一番のもとは、被告人の仕事先での自分より若い人が反抗的で支配できていないことを上げていた。これは推測だが、被告人自身が支配され、抑圧されて生きてきたので、人は尊重するものではなく支配するものという思いがあるのではないかと思う。その反動で人を支配したいという欲求が常にあり、『スイッチ』が入るのではないか。
被告人は当時、仕事から深夜ロードバイクで自宅に帰る途中であり、コンビニで飲酒もしていた。犯行現場では犯行前に周辺を不自然に移動している。被告人には結婚して妻も子供もいる。被告人質問では、検事の質問に抗弁したり、時折侮蔑のような笑いが漏れる。休廷中も廊下で「あの弁護士は話が旨い」などと証人の母親と話して高笑いするなど、およそ反省の色がない。『スイッチ』が入ることについてもストレスさえ避ければよいという安易な弁解をしており、今の状態ではどのような刑罰を与えても再犯の可能性は免れないように思う。
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