住居侵入・強制性交等・強盗。
裁判員裁判のため連日開廷されている。
本日は被害者の証人尋問。被害者のプライバシー保護のためパーティションなどで遮蔽の措置が取られることがあるが今回は「ビデオリンク」方式で、証人のいる別室と法廷をビデオでつないで、被告人と傍聴人にはモニタが見えないようにすることで遮蔽が行われた。法廷にはリモートカメラが中央に置かれていて検察官・弁護士・裁判官それぞれの質問の様子をカメラが動いて映すようになっている。
10時に開廷し、16時過ぎに閉廷するまで休憩時間を挟んで賞味4時間という長時間の証人尋問であったが、中盤で被害者証人が感極まって言葉に詰まるような場面もありながらも、最後まではきはきと答えていたが、事件後、さんざん知人や肉親に相談して、被害者支援センターに相談後、警察に通報し調書をとられ、送検されて検察官からも調書をとられ、その上、本日の長時間の聴取と事件について同じ質問に対して何度も話さなければならない法制度はなんとかならないものか、しかもこの裁判は事件発生から1年になろうとしている。
事件後、家にはいることができずに10日くらいホテル暮らしをして、転居したり、会社も1週間休み、復帰後も暗くなってから帰るのが怖いため、明るいうちに帰るように調整して働くなどし、カウンセリングやクリニックにも通っているという。
いまだに、犯人が部屋に押し入った際に使った黒いリュックと同じ色のリュックを持った男性が電車などで目の前にいるだけで、フラッシュバックを起こしてしまったり、エレベーターなど密室に男性と入ることが怖くて利用できないなどといった不都合が出ているという。
こうした状況にもかかわらず、法廷でこれだけの長時間、事件のことを事細かに検察官、弁護人、裁判官から同じ場面についてそれぞれの立場から、ことこまかに何度も聞き返され、言い違えや、覚え違いがあると調書と違うと偽証を疑われ、検察と弁護との間で尋問の最中に「異議あり」と怖い顔で指摘するなどやりあう様子は傍聴席で聞いていても気分が悪くなる。
被害者は、二次被害どころではなく無数に繰り返し傷つけられている。
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