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執筆者の写真団九郎

被害で立ち直れない私の一生をどうしてくれますか?

強制わいせつ、脅迫。

度の厚い眼鏡をつけ、スウェット姿で手錠腰縄で入ってくる。30歳くらいだろうか。

受験まじかだった少女に電車の中でわいせつ行為。

スカートの上から臀部に手で触れたところ、拒否反応がないのでスカートをめくり、下着の上から臀部を触り、さらに下着の中に指を差し入れて、陰部を触り、下着を下ろして陰部に指を入れた。降車後、逃げる被害者を追いかけ、撮った写真を拡散してもいいのかと虚偽の脅迫を行った。


父が意見陳述(要約)。

「娘が事件にあったことを聞いた日は怒りで我を失っていた。娘は、背中に障害があり、長年コルセットを着用していたがやっと学校の時だけ外せるようになった矢先の出来事だった。異常で邪悪で身勝手であり、大胆不敵に逃げ惑う娘を追いかけて脅迫するとは、一時の気の迷いではない。口先だけの謝罪の言葉に何の意味があるのか。娘は学校にも行けなくなり、事件を思い出すことで勉強にも手がつかず、娘の姿に親の私も泣いて暮らす日々であり、失ったものは甚大。長期に刑務所に入れてほしい。」


被害者の意見書(要約)。

「半年たったいまでも、生々しく思い出され、恐ろしかった記憶は夢でないのかと思いたいほど苦しんでいます。謝罪の言葉を聞いても気分が悪くなるばかりです。事件以後、電車にも乗れず、学校に行けず、大人の人を見ると恐怖がよみがえり、何度も思い出し、勉強も手につかない。あらゆることに過敏に反応してしまい、苦痛であり、この状態は人が想像しても理解できるとは思えないほどのものです。

 今後、何十年にも渡って、この事件のことは誰にも話すことができないし、考えたくもない。なんで自分なのかと人をねたむこともあり、なんでこんなにも立ち直れないのかと絶望的になります。なぜ私なのか、私の一生をどうしてくれるのか。私は絶対許しません。すべて被告人の責任です。刑務所に入って出てこないでほしい。」


求刑。2年6か月。前科はなく、執行猶予が付くものと思われる。

被告人の最後の陳述では、さすがにしばらく声も出せないほどだったが、言葉にする権限もないと前置きして「被害者様、ご家族様に申し訳ない」と細々と震える声で述べた。


被害者感情を踏まえると、罰としては軽すぎると思われるが、法で人を裁くということはそういうものでしかない。必要なのは被告人自身がこの事件の罪の重さをキチンととらえて、自分が起こしたことの責任が取れるようになることが求められ、そのためには一人で刑務所に入って過ごすことや、保護観察でプログラムを受けることだけでは不十分であり、自分自身をしっかりと見つめなおせる人間関係が必要だ。こうした事件は一刻も早く、起こさないようにするためにはどうしたらよいのかしっかり考えないといけない。


また、改めて私自身の犯してきた罪の大きさを思い知らされる機会でもあり、私自身ももういちど改めて自身が行ってきたことをしっかりと認識しなければならないと胸が痛んだ。

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