迷惑防止条例違反。邸宅侵入。
【犯人は上司だった】
普段、会社では面倒見が良く気さくに話してくれる上司が実は長年にわたって更衣室を隠し撮りしていた挙句に女性の自宅にまでカメラを設置していたと知ったときの被害者の驚きと恐怖は想像しがたい。
被害者は仕事も優秀で本人も仕事を楽しんでいたが、事件後は引っ越したが更衣室に入ることもできず、だれも信用できなくなり現在は休職している。
【エスカレートしていった】
被告人は、社内異動で被害者と仕事をするようになり、面識ができた。被害者の匂いに惹かれて、行為を持つようになり、接しているうちにその匂いにもっと触れていたいと思うようになり、女子更衣室が普段は鍵が閉まっていないことを知って、見つからないように更衣室に入った。
更衣室にはハンガーラックがあり、女子社員のジャケットやコートがかかっていたが、どれが被害者のものかはわからなかった(?)もののすべての服の匂いを嗅いだ。その行為はとても高揚感が感じられて緊張していた。そうしたことを、週二回くらいのペースで繰り返していた。
今度はカメラを設置して盗撮したいと考えて、小型カメラを購入し足元に隠した。
足元では物足りなくなり、上部に設置して全体を盗撮したところ、被害者のカバンなどの位置を知ることになった。
被告人は、更衣室に入って被害者のカバンの中をみて、財布や部屋の鍵があることに気が付き、さらにカバンの中にあった何かの請求書に住所が書いてあることをみつけた。被告人は、合鍵を作るためには鍵のナンバーがわかっていれば作れることを知り
鍵を持ち帰ることなく合鍵を作製した。
合鍵で被害者が出勤で被告人が休日のときを狙って、被害者宅に合鍵で忍び込み被害者の服や下着の匂いを嗅いだ。
さらに、被告人は被害者の自宅での様子も盗撮したいと考えて、カメラを購入し、忍び込んで設置した。その後、さらにバッテリー駆動から電源タップで電源を取るようにしている。画像は被告人の自宅のPCに保存して自慰行為などに使用していた。
このように、次々と犯行はエスカレートしていった。被害者宅の盗撮と更衣室の盗撮は並行して行われていた。
【カメラが見つけられるも、やめられず】
被害者宅の盗撮カメラが発見されたために、被告人は盗撮がばれたことを知り、2~3か月は更衣室の盗撮もやめていたが、欲求に勝てずに再開した。
このように、リスクがあってもやめられない依存症状態に陥っていた。
やがて、更衣室に出入りしていることが会社に見つかり、当初は否認していたが再三の聴取の末に自白したため、会社は懲戒解雇となり、その後通告されて逮捕され現在の裁判に至っている。 【被告人の心情】
とても後悔している様子はうかがえるものの反省と謝罪の意を述べているだけで、本当の意味で自分のしたことに向き合っているとはいえず、妻と子供への影響など自分の保身が先に立っていて被害者に向き合っていないことを検察官から指摘される。示談金も被害者が納得のいく金額を提示できていない。
【再犯防止は形ではできない】 再犯防止については、日々反省し、妻に行動や金銭管理をしてもらうということ以外には考えられておらず。なぜこのような犯行に至ってしまったのかということに関しての取り組みが全くないことは、涙を見せ反省を見せてはいても、自分の中で何が起きていたのかをとことん見つめて、取り組んでいかないといつかはまた同じことが起きてしまうことを理解していないように思う。
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