7年前の強制わいせつ事件、時効ぎりぎりで逮捕起訴。DNA鑑定技術の進歩で立件可能に。
強制わいせつ。
【なぜいま】
「なぜ、いまなのか」と被告人はいぶかしがったという、7年前の強制わいせつ事件で無理やりキスをした際のDNA鑑定が7年前当時はできなかったが、技術が進歩して可能になり、立件となって逮捕となったらしい。
【再犯を繰り返していた】
今回の起訴事実のあった事件の同じ時期に、被告人は同じく強制わいせつ事件で2年間懲役受刑中であった。受刑中に今回の事件のことで刑務所で取り調べは行はれていたが、当時は立件できなかった模様。
被告人は、出所5年後にも強制わいせつ事件を起こしているが、このときは起訴猶予となっている(示談金250万円)。そのころ、女子高生のカバンをひったくる窃盗で服役している。
【今回の逮捕時は、社会復帰は順調に見えた】
出所後、まじめに働き、内縁の妻ができて連れ子もいた。仕事の成績は逮捕当時は車内でトップの成績で、妻子とも新しい家で一緒に生活する予定だった。逮捕後勾留され、妻と子供は実家に帰り、いまだに勾留されている。
【証人父からの借金】
被告人はいままでの犯罪における示談金や裁判費用のために父親から合計で1千万円以上の借りがあるという。父の証人尋問の間中、被告人は涙をぬぐっていた。
【事件のあらまし】
被告人は、駐輪場にいた被害者に背後から「かわいいね」などと声をかけて、振り向いたところにいきなり抱きついて胸をもみ、無理やりキスをするなどした。ほかの事件同様酒を飲んでいた。被告人の陳述では酒を飲んで気が大きくなっていたという。
【7年の間に被告人は何も変わっていなかった】
被告人は、いずれの犯行当時についても、立件された事件以外に、その同じ日に複数件の同種犯罪を繰り返していたという。
刑務所で再犯犯防止処遇プログラムを受けていたが、出所後は医療機関にも数か月行っただけで中止している。
【立件できなくても対応できることはないのか】
今回の事件では、立件できたもの以外に認知されているものがあるにも関わらず、DNA鑑定の証拠が固まった今回の事件以外のものについては、おとがめなしだし、被告人に対しても何の行政的処遇も当然されていない。