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たばこ代もらえず、強制性交に及ぶ。

住居侵入・強制性交等・強盗。


被告人は、結婚して2年目、妻と妻の母の家で3人で暮らしていた。遠距離だが事件の4年前にネットで知り合い趣味のゲームで意気投合して付き合い始めて2年後に結婚して一緒に住むようになった。被告人は定職がなく、生活費や交際費(上京してのデートに銀座の高級ホテルを使うなど)で250万円ほどの借金を抱えていたが、言い出せずにいたところ、裁判所から借金のことで連絡があり、妻と実母にばれて、両家の親族があつまり、被告人を糾弾した。



被告人は携帯電話の支払いも滞っていて電話も止まってしまった。被告人は、離婚され今の生活が破綻してしまうと思い、自暴自棄になって死にたいくらいに思って家出をした。しかし被告人は死にきれず、付近を徘徊した挙句に近隣のネットカフェに泊まった。翌日も朝から付近を徘徊しているうちに夜になり、10時ころ事件のあったアパートの集合ポスト前で被害者をみて、ひったくりなどしてお金を取ろうという考えが浮かんだがエントランスに入ろうとしていたため、立ち止まらせようとして声をかけた(被害者は会っていないといっている)。そのやり取りで部屋番号を聞き出して、公園で20分ほど考えたのち、部屋に行ってお金を取ろうと考え、部屋に押入った。


最初からたばこ代程度が取れればいいと思っていたが、それを言わず。「セックスして、財布をもらう」といい、被害者はどちらも拒否したが、押し問答の末、被害者はセックスに応じた。被害者の証言では犯人の力が強く、敵わないと思って下手に反抗すると余計に暴力を受けたり、命を奪われる危険があると感じて、恐怖心からなるべく穏便に犯人の要求にこたえることにした。


被告人は、セックスを要求したのは肉体関係になれば話がしやすくなるのではないかと考えたのだという。押入ったことは認めており、裁判の冒頭で強制性交等罪は争わないといっているので、このセックスは強制的なものであるとみとめているにも関わらず、そのように考えたと証言しているのが事実だとすれば、被告人の性的認識は狂気的にくるっているとしか言いようがない。


被告人尋問の間、被告人はいたって冷静で、あたかも人の裁判で参考人として意見を言っているかのようなクールな表情であり、受け答えも被害者の心情などはみじんも感じていないし、自分の事件の重ささえ感じられない様子に驚いた(私の場合も、同じようだったと思う)。 被告人の言うとおりだとすると、最初に500円渡しておけば、被害にあわなかったということになる。これを、被害者側が聞いたらどんなにさらに苦しい思いをするかは明らかだ。

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